2002年05月23日(木) |
フランチャイズチェーンの全面広告 |
日経(H14.5.23付)・全面広告で、フランチャイズガイドライン見直しを話題にした座談会ふうの広告が載っていた。
広告主は、フランチャイズザー(本部側)の団体であろう。
先日、中小企業庁と公正取引委員会から、フランチャイジーに対し、情報開示の拡充や、不公正取引に該当する行為についての見直しなどがなされた。 それに関する座談会である。
その中で、フランチャイザー(本部側)の立場から、次のような発言がされている。
「新たに加盟しようとしている方は、情報開示がなされても、その情報を読み解く力がない場合があります。 そのため、せっかく開示されている情報が正しい判断をする材料にならないのではないかという不安があります。」
このような言い方は、情報を開示しない理由として必ず使われる言葉である。
しかし、あまりにバカにした言い方であることに気がつかないのだろうか。
かりに、「読み解く力がない」としても、だからといって情報を開示しなくていいという理由にはならない。
また、次のような発言もされている。
「これから成長しようとする本部と、既に成長を遂げた本部の情報を、同じ条件で開示するということは、ベンチャー育成とは反対の結果を招く危険性があります。」
ここで言っているのは次のようなことである。
つまり、これから成長する本部は、大きな先行投資が必要であるから、財務諸表を開示すると、大きな赤字になっている。 そうすると、加盟を考えている人は「こんな赤字で大丈夫か」と不安になる。 それは、新しいベンチャー企業の育成につながらないから、開示を制限せよというのである。
しかも、これを吉野屋の社長が発言しているだから驚く。
フランチャイズ自体は悪いとは思わないし、りっぱなフランチャイズシステムのところも多い。
しかし、情報開示を否定するような発言が、新聞で、しかも自分たちが出した広告の中で堂々と言われることに、この業界の問題性を感じざるを得ない。
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