今日の日経を題材に法律問題をコメント

2002年07月08日(月) 田中知事に対する不信任議決について

 日経(H14.7.8付)社会面に、田中知事不信任に対し、県民の61%が反対していると報じられていた。


 知事に対する議会による不信任議決は地方自治法178条で定められている。

 それによれば、知事に対し不信任議決された場合、知事は10日以内に議会を解散することができる、解散しないときは知事の職を失うと規定されている。


 したがって、知事選挙と議員選挙のダブル選挙は予定されていないが、議会を解散したうえで、知事が辞職すれば、ダブル選挙になるということである。



 憲法を勉強するとき、「地方自治は民主主義の学校である。」と教わった。

 地方自治という身近な政治に触れることによって、民主主義がなんであるかを学んでいくということであろう。


 しかし、今回の不信任議決をみると、「民主主義の学校」とは到底いえないようように思う。


 知事は、議会で誰もいないのに1人でしゃべってた。

 それ以上に問題なのは、議会である。


 朝日新聞によると、次のように解説されている。

 「県議会側が解散覚悟でこの時期に不信任を突きつけたのは、来春の統一地方選で県議会が改選されることが挙げられる。
 定数が四つ削減されるうえ、田中知事を支持する新顔が立候補する可能性もある。
 むしろ、いま県議選をした方が現職に有利との読みがあるためだ。」


 要するに、田中知事への怨念と、自己の地位固執だけが理由の不信任決議である。

 このような茶番劇を観て、民主主義を学ぶことなど到底できないだろう。
 


 < 過去  INDEX  未来 >


ご意見等はこちらに
土居総合法律事務所のホームページ


My追加
-->