2002年08月26日(月) |
なんでもネットで手続きできることがいいことではない |
日経(H14.8.26付)3面に、ある大手銀行が、契約書・なつ印の必要がなく、ネットで融資手続きができるようになったと報じられていた。
しかし、よく読むと、前もって金利などの条件を登録しておくことが必要のようである。
そうであれば、事前審査によって与信をしているわけであり、ネットでの手続は審査といえるものではない。
「銀行にとっても、近くに支店がない遠隔地の企業とも取引が可能になる」と書いていたが、そんな遠くの企業に融資することのメリットはないのではないか。
私は、なんでもネットで手続できることがいいこととは思わない。
融資にしても、直接話するということは、銀行からみれば、直接会うことによって、担当者の表情も含めて、その企業の情報が手にはいるわけであり、銀行としても、あまりネットで手続きすることにメリットがあるとは思えない。
話は変わるが、以前、将来は、ネットで選挙の投票できるようにすべきであると書いたことがある。
ところが、2,3日前に、このような見解に批判的な記事が書かれており、そのとおりだと思ったので、見解を改めることにした。
ネットでの投票の問題は、第1に、投票の秘密が守られないことである。
管理者は、必ず投票の内容を知りうるのである。
ネットでの投票の問題は、第2に、投票の改ざんの可能性があるということである。
セキュリティーをいくら高めても、その危険性は否定できない。
とくに、管理者は、改ざんは容易であろう。
そして、かりに投票結果を改ざんされたとすると、本来当選しない者が議員になるのだから、それは民主主義の破壊である。
融資でも選挙の投票でも、そうだが、要するに、なんでもネットで行えるようになることがいいことではないと思う。
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