2002年12月16日(月) |
弁護士を法人化する事務所は、当分は増えないと思う |
日経(H14.12.16付)・31面に、弁護士法人化が地方にも広がっているという記事が載っていた。
これまで、弁護士事務所は法人になることができなかった。
弁護士はお金儲けしちゃいかんというのが理由であろう。
しかし、法人化できないと、顧問契約は個人名での契約となる。
事務所の賃貸借契約も個人の名義で借りることになる。
しかし、何十人にも弁護士がいる共同事務所も増えてきているのに、すべてについて個人名義で契約するというのは、実態と合わない。
また、個人名で契約している弁護士が亡くなった場合、契約はすべてやり直しとなり、非常に面倒である。
そのような理由で、最近、弁護士事務所を法人化することが認められた。
記事によると、東京で17、大阪で12、それを含めて全国57の事務所が法人化されているとのことであり、「地方に広がる」と評価していた。
しかし、そんなに「広がっている」のだろうか。
弁護士事務所が全国にいくつあるか正確には知らないが、おそらく1万以上はあるだろう。
その中で、わずか57事務所である。
圧倒的に少ないというべきでないだろうか。
実は、弁護士事務所を法人化してもメリットは少ないといわれている。
たとえば、現在、多くの法律事務所の事務員は国民健康保険であるが、法人化すると、社会保険にしないといけない。
そうすると、事務所が半分負担しなければならない。
これが結構な額になる。
社会保険にしないといけないので法人化を見送るというのでは、なんだかせこい話に聞こえるが、お金がかかる以上、せこいというだけでは済まない。
これだけではないが、このようなデメリットがいくつかあるので、多くの事務所が様子見してる状態である。
税制上のメリットでもない限り、当分は法人化する法律事務所はあまり増えないように思う。
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