2002年12月17日(火) |
女性差別訴訟で、住友生命が9000万円を支払う和解が成立 |
日経(H14.12.17付)・社会面に、女性差別訴訟で、住友生命が9000万円を支払う和解が成立したと報じていた。
この訴訟は、既婚者であることを理由に昇給や昇進で差別するのは不当として、差額賃金の支払いを求めたものである。
つまり、既婚者と未婚者という女性間の差別を問題にした点に特徴がある。
一審では会社の差別を認め、9000万円の支払を認めた。
その後、控訴審で和解が成立したものであるが、今回の和解について、会社の広報部は、「差別はない」「紛争の長期化は好ましくないとの判断から和解に応じた」とコメントしている。
これでは反発されるだけである。
そもそも、和解条項では、「差別は違法とした一審の判断を尊重し、9000万円支払う」となっているようだから、住友生命側としては差別があったことを認めたのも同然なのである>
それゆえ、「差別はない」と言いきること自体、問題であろう。
今日では、広報部の役割は非常に重要になってきている。
何らかのトラブルが生じたとき、情報を公開し、会社の基本方針を伝えることはもちろん大切であるが、同時に、世論にも敏感でなければならない。
会社の論理だけで物事を決めてはいけないのである。
そういう意味からは、「差別はない」と言いきることは、会社広報部のコメントとしては失格と思う。
「差別があった」とは言えない事情があるにしても、「和解内容を尊重して、履行することに努力する」ぐらいのコメントはすべきであったと思う。
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