今日の日経を題材に法律問題をコメント

2003年01月10日(金) 防犯対策としては、ITに頼るべきではない

 日経(H15.1.10付)35面に、「IT住宅で外出安心」という見出しで、家に侵入すると侵入者をカメラで撮影し、携帯電話に知らせることができる住宅の記事が載っていた。


 一見便利そうだが、防犯という意味では、効果は薄いと思う。


 大事なことは、侵入させないことである。

そして、そのためには犯罪者の心理を考えるべきである。


 盗む方は、その家でなければならない必然性はない。

 ターゲットはいっぱいあるのだから、少しでも面倒だと思えば、そこには侵入しないのである。


 以前、ピッキング窃盗の刑事事件を担当したことがあるが、窃盗犯は、すべてある大手メーカの鍵のみを狙っていた。

 現在、ピッキング窃盗は沈静化しているが、今後も、窃盗犯が狙うとすると大手メーカの鍵を狙うだろう。その方が効率がいいからである。

 とすると、鍵は、マイナーなメーカにしておくべきだろう。


 また、そのときの窃盗犯は、セコムのステッカーのあるところは避けたと言っていた。

 そうすると、セキュリティー会社でも、マイナーな会社は避けるべきということになる。

 有名でないセキュリティー会社のステッカーを貼っていても、抑止効果はないからである。

 
 要するに、防犯対策としては、ITに頼るのではなく、窃盗犯に、「面倒だな」と思わせる工夫が大事ということになる。 


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