今日の日経を題材に法律問題をコメント

2003年01月15日(水) 年金は、財産分与の対象になる?

 日経(H15.1.15付)・1面に、厚生年金が夫婦折半することが可能になるという記事が載っていた。


 現在、厚生年金は、加入者本人しか受け取れないため、通常は、夫が受け取ることになる。

 したがって、離婚した場合は、妻は年金をもらえない。


 以前、妻の側から離婚の相談を受けたとき、「離婚すると奥さんには年金は支給されませんよ。」というと、「それじゃ、離婚しません。いまのままで我慢します。」と答えた。

 このような事態は、夫婦いずれにとっても不幸なことである。

 
 この方は、離婚を諦めたが、諦めずに離婚をし、夫に対し年金受給分を財産分与として請求するということはよくなされる。


 裁判所の基準は明確ではないが、年金の支給が確定している場合は財産分与の対象となるが、未確定な部分は、死亡などの不確定な要素があるから対象とならないとするのが一般的である。


 これは、離婚する当事者にとっては分かりにくい基準であろう。


 したがって、最初から、サラリーマンの妻も年金を支払い、その代わり個別の受給権を明確にしたほうが分かりやすいと思う。
 


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