今日の日経を題材に法律問題をコメント

2003年02月14日(金) 刑務所の中は軍隊であり、受刑者は新兵さんである

 日経(H15.2.14付)・社会面に、名古屋刑務所暴行死事件の続報が載っていた。


 この事件は、刑務所の職員が、受刑者の下半身に高水圧の水を吹き付けて暴行死させたというのだから、むちゃくちゃである。


 刑務所の中は弁護士でも窺い知れないところがあるが、「刑務所の中は軍隊であり、受刑者は新兵さん。」と思えば分かりやすい。

 もちろん、「鬼の上等兵」は刑務官である。


 鬼の上等兵である刑務官殿に逆らうと、懲罰を食らう。

 そして、懲罰を食らうと仮釈放は望めなくなり、満期一杯刑期を勤めなければならなくなる。

 それが怖くて、たいていの受刑者は、刑務官には逆らわない。



 ところで、懲役刑とは、犯罪者の自由を拘束して働かすことに尽きるのであって、それ以上のことを課すことは許されないという考えがある。


 この考えを推し進めると、アメリカの映画に出てくるような、ラジカセを房に持ち込んで音楽を聴きながら踊っているということも当然認められることになる。

 そこまで自由でいいのかという疑問はあるが、少なくとも、軍隊のような日本の刑務所は、秩序維持を優先しすぎであり、受刑者の人権という観点からは問題があると思う。


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