2003年05月15日(木) |
高齢者にハイリスクの取引を勧めるのは問題である |
日経(H15.5.15付)社会面に、高齢者に危険な取引を勧めたとして、証券会社に損害賠償を認めたと報じていた。
損害を被ったのは77歳の女性である。
取引の詳細な内容は記事からは不明であるが、裁判所は「過大な危険性を伴う取引である」と認定しているから、単なる株式取引ではなく、ハイリスクの取引だったと思われる。
しかし、高齢者にハイリスク・ハイリターンの商品を勧めることは問題である。
40歳の人がハイリスク取引に手を出して失敗しても、やり直しが効き、取り戻しも不可能でない。
しかし、高齢者が取引に失敗した場合、それを取り戻すことは不可能であろう。
高齢者にとっては、物価の上昇程度の安定的な資産運用こそが重要なのである。
もちろん、高齢者の方にもいろいろな方がいる。
高齢者だからハイリターンを求める取引をしてはいけないというのは失礼な言い方だろう。
しかし、基本的には、高齢者にハイリスク・ハイリターンの取引を勧めることは、それだけで違法の推定が働くと思う。
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