今日の日経を題材に法律問題をコメント

2003年06月05日(木) 武富士会長に4億円の支払命令

 日経(H15.6.5付)社会面に、消費者金融の武富士の元部長が、武富士の会長に対して4億円の支払を求めた訴訟で、元部長の言い分が認められ、武富士に4億円の支払いが命じられたと報じていた。


 記事によれば、武富士で株式を店頭公開の準備をしていたところ、右翼が妨害活動をしたため、武富士の会長が元部長に右翼との折衝することを命じ、成功報酬として5億円の支払いを約束したというのである。


 この元部長は1億円の報酬をすでにもらっているようであり、残金4億円の支払を求めたものである。



 一審では元部長の言い分は認められなかったが、二審では記事のとおり、元部長の言い分が認められた。



 5億円の支払い約束といっても、契約書はなかったようである。


 契約書がない場合、裁判官は契約があったと認定することに極めて臆病である。

 ましてや5億円という大金の支払い約束である。


 通常であれば、裁判所は契約の成立を認めないだろう。

 内心、1億円も貰ったのだから我慢しなさいと考えるに違いない。


 その意味で、契約書もなく5億円の支払を認めたというのは極めて珍しい判決といえる。



 それにしても、右翼と折衝するだけで5億円の報酬というのはすごい。

 武富士はよっぽど儲かっているのだろう。


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