今日の日経を題材に法律問題をコメント

2003年06月25日(水) 委員会等設置会社を採用するかどうかは各会社の自治に委ねられている

 日経(H15.6.25)23面のコラムで、機関投資家が議決権行使のルールを決めようとしていると書いていた。

 その機関投資家のルールによれば、委員会等設置会社の制度を取り入れている会社はよい評価ということになっているそうである。


 これまで機関投資家は物言わぬ株主だった。

 それが物言う株主になったのはよいことであるが、このように一律にルールを決め、それを会社に押し付けようとするのであれば、物言わぬ株主のままの方がましである。


 委員会等設置制度は企業統治の一つの方法であるが、それが他の制度より優れているわけではない。

 社外取締役を選任しても、それが社長の友人であれば何にもならない。


 当該会社の置かれている状況、人材など総合的に考えて、従来の監査制度がよいと判断したのであれば、それはりっぱな判断である。

 それを一律に「遅れている」と決め付けるかのようなるーるを定めるにはナンセンスである。


 いまは委員会設置制度の導入が流行しているが、企業統治のためのいろんなメニューが増えただけであり、いかなる制度を採り入れるかは、各会社の自治に委ねられていると解すべきである。




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