2003年06月30日(月) |
会社設立の際の最低資本金規制がなくなる |
日経(H15.6.30)1面トップで、会社設立の際の最低資本金規制がなくなると報じていた。
株式会社を設立する際には1000万円の資本金が必要である。
その規制の趣旨は、取引先などの債権者を保護することと、会社設立濫用の防止といわれている。
しかし、実際には資本金を他から借りてきて、設立したらすぐに引き出して返すことが行われていた。
このようなことは「見せ金」といって、法律上は禁止されているが、それが表ざたになることはほとんどない。
その意味では、ざる規制であり、最低資本金規制は理念が先行した規制といえる。
商法にはこのような学者が考えたような理念先行型の規制が多いように思う。
例えば自己株式取得を原則禁止する規定である。
これも、従来は自己株式取得を認めると、たこが自分の足を食べているようなものであり、資本充実原則に反するからであるといわれていた。
ところが、現在では、自己株式取得は、株価対策のために、ほとんど認められるようになってしまった。
結局、制度というのは、あまり理念から考えるのではなく、使い勝手のよさを重視し、かつ、できるだけシンプルな方がいいと思う。
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