今日の日経を題材に法律問題をコメント

2003年07月18日(金) 長崎男児殺害事件の少年には、少年院送致こそ適切でないか

 日経(H15.7.18)社会面に、長崎の男児殺害事件で、12歳の少年が、「両親に会いたいが・・」と複雑な心境を語ったと報じていた。

 それを読んで、「あれっ、まだ両親に会っていないのか」と思った。


 
 少年は現在少年鑑別所に収容されており、鑑別所は留置場とは違うから、両親が面会に行くと、格子もない小さな部屋で会うことができる。

 それなのに会っていないということは、マスコミが避けているのだろう。



 ところで、鑑別所と少年院とを混同している人も多いが、両者はまったく違う。


 鑑別所は、少年に適切な処分をするために、心身の状況、家庭環境などを調査するためのところである。


 通常、3週間程度で審判が開かれるから、鑑別所にいる期間も3週間程度のことが多い。


 そして、審判の結果、少年院送致になどの処分が決まる。


 もっとも、長崎男児殺害事件の少年は、おそらく精神鑑定がなされるだろうから、例外的に、長期間鑑別所にいることになるだろう。


 その後、現行法では少年院に送致できないため、児童自立支援施設に入ると報道されている。


 しかし、児童自立支援施設は、児童福祉の観点から支援を行うための施設と位置づけられており、家庭環境に問題のある少年が入所することが多い。


 今回の事件の少年は、家庭環境の問題よりも、少年自身の精神面に問題があるように思われる。

 したがって、矯正こそが必要であり、少年のためにも、処遇体制が整っている少年院に送致できるようにした方がいいのではないだろうか。


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