日経(H15.8.8付)1面で、今年上半期の犯罪統計によれば重要事件が増加していることを報じていたが、その中で、少年犯罪も凶悪化していると書いていた。
このような少年犯罪の増加という統計が出ると、必ず、かつても少年犯罪は多かった、凶悪事件もあったという論者が出てくる(大体が弁護士なのだが。)。
その主張の背景には、少年犯罪に対し厳罰化で臨んでも少年犯罪の減少につながらないという考えがある。
しかし、社会の混乱期の少年犯罪と、豊かになった時代の少年犯罪とでは、犯罪の質が異なっているのではないだろうか。
現在でも、かつあげ、ひったくりなど、遊ぶ金ほしさの古典的犯罪は多い。
しかし、貧しい時代の犯罪と異なり、現代の少年犯罪は、金に対する切望感がない気がする。つまり、犯罪に遊びの要素が強いのである。
また、犯罪を犯す少年も、いわゆるワルというのでなく、会ってみると普通の少年だったりする。
やはり世の中の変化に伴い、犯罪の質が変わっているのは間違いないのだろう。
その意味で、かつても少年犯罪が多かったのだから、犯罪が増えたことだけを取り上げて騒ぐべきではないという論調は疑問である。 (私は弁護士会の少年法委員会に入っているのだが、このような事を書いていいのかなあ)
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