2003年08月15日(金) |
法廷で、尋問事項を指示されたとき |
日経(H15.8.15付)社会面で、鈴木宗男被告の勾留が422日と汚職議員で最長になったと報じていたが、その記事の中で、鈴木被告の公判の様子を書いており、証言をノートに書きとめ、弁護側の反対尋問の際は自らノートに指示を書いて弁護人に示すこともあるとのことである。
実は、弁護士として、尋問中に依頼者から「このようなことを聞いてくれ」と尋問事項を指示されるのはやりづらい。
というのは、当事者というのは感情が先走りしやすく、何がポイントかが見えなくなっていることが多く、そのため、聞いてくれということの中には、かえってやぶへびになる質問もあるからである。
しかし、法廷で、そのような質問をすればかえって不利だよと説明する時間はない。
といって、「聞いてくれ」と言っているのに無視することもできない。
そんなことをしたら、後で、「うちの先生は何も聞いてくれない」と言われるのが落ちである。
その結果、板ばさみになり困るのである。
もっとも、修習中のことだが、証人尋問の準備をまったくしないまま尋問に望む先生もいた。
そのような先生の尋問は明らかにポイントがずれているから、依頼者が「このようなことを聞いてくれ」というのは当然であろう。
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