2003年08月28日(木) |
なぜ酒屋さんだけが保護されるのか |
日経(H15.8.28付)1面に、酒類販売参入を1年間凍結できる「逆特区」が922地域に上ると報じていた。
酒類販売については、これまでは距離制限、人口制限があるため新規参入がなかなかできず、既存店は規制に守られていた。
その規制は平成15年9月にすべて撤廃とされることになったのであるが、ところが一定の要件を充たせば、酒類販売の新規参入への規制が最長二年間継続されることが認められたのである。
特定の業種(酒類販売だけでなく、薬局や公衆浴場)に認められていた距離制限は、憲法で保障されている「営業の自由」の侵害になるのではないかという問題があり、憲法の必須論点であった。
結論としては、違憲ではないというのが圧倒的多数説である。
その理由は、営業の自由に対する規制については、政治的自由と異なり、厳しい司法審査に服さず(二重の基準)、行政が営業の自由を制約しても、その制約に合理的理由があれる限りは違憲ではなく、距離制限は、弱者保護という合理的理由があるからである。
司法試験でこの問題が出ても、そのような書くのが決まりだった。
しかし、私は勉強していた当時から、なぜ特定の業種だけが保護されるのか分からなかった。 (司法試験でこんなことに疑問を感じ始めると合格は1年延びる。)。
町の八百屋さんも魚屋さんも、何の保護もなく、スーパーの進出でどんどんつぶされていった。
酒屋さんだけがいまだに「逆特区」まで設けて保護されるのはいかがなものかと思う。
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