今日の日経を題材に法律問題をコメント

2003年09月29日(月) 盗難通帳の預金引出し 銀行の過失認定は様々

 昨日の日経(H15.9.28付)社会面に、盗難にあった通帳から預金を引き出された被害で、裁判所による銀行の過失の認定についてはさまざまであるとの記事が載っていた。

 記事によれば「銀行側の過失が認められるケースはまだわずか」とのことであるが、それでも裁判所の考え方は少しずつ変わってきているようである。


 数年前までは、裁判所は、銀行業務に対し極めて理解ある態度を示していた。

 つまり、銀行窓口は多忙であるから、いちいち細かいチェックを求めることは不可能であり、厳格なチェックを求めると円滑な金融業務が滞ってしまうと心配していたのである。


 しかし、これだけ盗難通帳による引出しが増えると、銀行も、より慎重な確認が要求されて当然であろう。


 ただ、最近は犯行グループの手口はますます巧妙になってきている。


 通帳を盗むと同時に通帳の名義人の生年月日も調べ(通帳と一緒に保険証などを保管しているケースは多い)、それと同じ年齢くらいの引出す役割の人を調達する。

 印鑑と、預金引出し役の顔写真が貼付された通帳名義人の免許証を偽造する。

 預金引出し役が銀行で預金を下ろす(このとき、引出し役が持ち逃げしないように仲間が見張っている)。


 こんな手口だと、銀行も騙されても仕方ないようにも思う。


 大金を普通預金に入れておかないことが一番の予防策かもしれない。



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