2003年10月06日(月) |
弁護士は依頼者の利益を守るのが使命である |
一昨日の朝日(H15.10.4付)であるが、日曜版「Be」に、コロンビアミュージックエンタテイメントの尾関CFOという人が弁護士像について気になることを書いていた。
「日本の弁護士には不満がある。弁護士は依頼者の権利と利益を守るのが使命であるのに、最初から係争の仲介役を務めようとする。」
「依頼人としては、自分の弁護士が本当に自分の利益を100%守るために戦ってくれているのか不安になる。」 というのである。
確かに、日本の弁護士はそのような傾向がある。
「仲介役を務める」つもりはないのだが、妥当な結論を先に考えて、そこに持っていくために依頼者を説得しようとするのである。
これは弁護士の間で評判のよい弁護士ほど、その傾向が強い。
司法研修所でも、「依頼者が無理を言った場合に、それを説得する力があるのがいい弁護士である。依頼者の言うままに主張したのでは、弁護士なんか必要ない。」という考え方が強かった。
このような考え方は裁判官には受けるだろう。
依頼者が無理な主張しないように抑えてくれるのだから。
しかし、それでは法廷に裁判官が二人いるのと同じではないだろうか。
私も弁護士になりたての頃は、依頼者のわがままを説得して妥当な結論に導くのがいい弁護士であると考えていた。
いまだにそのしっぽを引きずっている面もあるが、今の基本的考え方としては、依頼者の利益を100%実現するために最大の努力しようと思っている。
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