2003年10月07日(火) |
藤井総裁は解任無効を争うことができるか |
日経(H15.10.7付)1面に、日本道路公団の藤井総裁が辞表提出を拒絶したことから、解任手続きに入ったと報じていた。
他のマスコミでは、藤井総裁が法的手続きを取る可能性があるとも報じている。
仮に、藤井総裁が解任は無効の訴えをした場合、認められるのだろうか。
日本道路公団法によれば、国土交通大臣は、「総裁として適しないと認めるときは解任することができる。」と定めている。
条文の規定上は解任するには理由は必要ないように思える。
しかし、権力の濫用防止という見地からは、大臣による恣意的な解任は許されないだろう。
また、任期中であるのに、理由もなく一方的に解任されたのでは、解任される方はたまらない。
他方、例えば、会社法では「取締役の解任はいつでもできるが、正当事由がない場合には損害賠償請求ができる」という規定があるが、日本道路公団法にはそのような解任を制約するような文言はない。
とすると、総裁の解任には何らかの理由が必要ではあるが、それは一応の合理的理由であれば足りるという解釈になると思う。
それを前提に検討すると、
財務諸表に関する答弁が変遷した
造反者を出すなど道路公団職員が混乱しており監督責任がある
これら一連のごたごたにより道路公団の信用を失墜させた
といった事情を考慮すると、解任する一応の合理的理由はあると思う。
したがって、藤井総裁が訴訟で争っても勝つ見込みはないだろう。
それにしても、この人は何でこんなに頑固なのだろうか。
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