2003年10月14日(火) |
ハンバーガーの食べ過ぎによる肥満はマクドナルドの責任? |
昨日の日経(H15.10.13付)7面に、「病む世界、病む子供」という連載コラムで、ニューヨークの子供が「ハンバーガーの食べ過ぎで肥満になった」としてマクドナルドを訴えたマクドナルド訴訟の背景について書いていた。
このマクドナルド訴訟は、弁護士が一儲けをたくらんで起こした訴訟かと思っていたが、記事によれば、そうではないようである。
アメリカでは子どもの肥満が社会問題になっており、肥満の原因として、学校にファーストフードが進出していることが挙げられている。
1980年代から、学校は財政難から、一定の契約料を取って、外食産業が学校に出店することを認めた。その結果、朝昼晩マクドナルドという子どもたちが出てきているそうである。
また、肥満が貧困層に多いことも指摘されている。
訴訟は、子どもの肥満が、社会の経済現象であることを訴えることを目的としたものだそうである。
訴えは棄却になったけれど、子どもの肥満の問題をアピールすることには成功しており、その意味では目的は達成したといえる。
日本でも子どもの肥満は問題になりつつあるが、日本で同様に子どもがマクドナルド相手に訴訟したらどうなるだろうか。
子どもが訴えるといっても、実際には親が法定代理人として訴えることになるのであるが、恐らく、マスコミは、その子どもの親は、親の責任を棚に上げて人のせいにするとんでもない奴だという論調になるのではないだろうか。
なんでも訴訟にするアメリカの司法文化には違和感があるが、訴えたことを非難する傾向のある日本の司法文化もいかがなものかと思う。
|