2003年11月12日(水) |
丸紅がパソコンを1万9800円で販売 |
日経(H15.11.12付)13面で、丸紅がネット通販でパソコン価格を一ケタ安く表示し、その誤った表示価格のままで販売したという記事が載っていた。
この場合、「19万8000円」と表示しようとして「1万9800円」と表示したのであるから、錯誤である。教科書にも書いているような「錯誤」の典型的事例といえる。
(日経の記事では、契約の成立時期の問題にしていたが、的はずれである)
錯誤の場合、原則として契約は無効である。
しかも、特別なセールと謳ってもなかったはずだから、パソコンを1万9800円で売るはずがないのであり、買主を保護すべき要請に欠ける。
したがって、丸紅は、契約は無効であるとして販売を拒否することができそうである。
しかし、錯誤に重過失がある場合は無効を主張できないとされている。
ネット通販では価格の表示はきわめて重要であり、十分チェックすべきであるから、錯誤に重過失があるとされる余地もある。
今回、丸紅は信用を重視して、1万9800円で販売したようであるが、なかなか面白い問題であり、裁判で争っていればどうなるか、興味がある問題であった。
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