今日の日経を題材に法律問題をコメント

2004年02月05日(木) 京大側が、不正アクセスにあたらないとの見解を表明

 日経(H16.2.5付)社会面に、京大研究員が、著作権保護団体のホームページから個人情報を引き出し、不正アクセス禁止法で逮捕された事件で、京大側が、不正アクセスに当たらず、違法性はないとの見解を示したと報じていた。


 その理由として、「プログラムの欠陥からサーバーに侵入したものであり、パスワードやアカウントを盗んでいない」ということらしい。

 
京大側は、法学者にも相談したらしい。


 しかし、不正アクセス禁止法に定める「不正アクセス」の定義には、他人のパスワードを使うことだけでなく、制限されている情報を利用できるようにする行為も含まれている。

 したがって、京大側の見解は無理があるように思う。


 確かに、サーバーの欠陥を放置した管理者に問題はある。

 だからといって、そこに侵入して情報を取得していいということにはならない。


 「違法でない」という京大側の見解は、身内をかばうだけのものでしかないと思う。


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