2004年02月10日(火) |
イラクで、自衛隊が民間人を誤射した場合の刑事責任 |
日経(H16.2.10付)社会面に、イラクの自衛隊活動に関し、テロリストと間違って民間人を射殺した場合などに、どのような刑事責任を負うのか問題となっており、「解釈が難しい」と結論付けていた。
記事の中では、「民間人を誤射しても故意がなければ免責される」と書いていたが、正確ではない。
しかし、テロと思って撃ったところ民間人であった場合でも、殺人の故意はある。
人を撃つということの認識において違いはないからである。
したがって、民間人を射殺した場合は、殺人罪の適用が問題になる。
ただ、正当防衛と思って撃ったところ、正当防衛でなかったのであるから、誤想防衛ということになる。
これは、誤想防衛は故意を阻却されるかという問題であり、司法試験の刑法の問題にもよく出題される。
記事では「解釈が難しい」とあったが、日本国内でも起こりうる問題であり、解釈として難しいことはない。
ただ、イラクという戦争状態の外国の地で証拠がきちんと収集できるのかという意味では、難しい問題があると思う。
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