2004年03月30日(火) |
遺伝子スパイ事件 高裁の判断は妥当か? |
日経(H16.3.30付)社会面で、遺伝子スパイ事件で、東京高裁が、岡本元研究員のアメリカへの引渡しを認めなかったと報じていた。
アメリカ側は経済スパイ罪容疑で引渡しを求めていたのに、日本の法律には経済スパイ罪はない。 そこで、窃盗罪を理由に引渡しに応じることができるかということが問題になっていた。
ところが、東京高裁は、「そもそも経済スパイ罪に該当しない」という理由で引渡しに応じなかった。
これには、「えっ!」という感じであった。
日経の社説は、東京高裁の判断は妥当と評価していたが、果たしてそうだろか。
そもそも、アメリカで起訴しているのだから、経済スパイ罪に該当するかどうかの証拠を日本の検察官が持っているとは思われない。
それなのに、「経済スパイ罪が成立しない」というのは、検察官に酷というものではないだろうか。
裁判所は、アメリカ側が起訴した以上、その判断を一応尊重したうえで、当該行為が日本で犯罪となるかについて、慎重に判断するのが穏当ではなかったかと思う。
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