2004年04月30日(金) |
憲法についての2つの考え方 |
日経(H16.4.30)1面で、「動き出す憲法改正」というコラムで、憲法改正の動きを伝えていた。
これまで憲法改正はタブーのようにされてきたが、今日では憲法改正が現実問題となっている。
ところで、憲法に対する考え方には大きく二つの流れがあるように思われる。
一つは、憲法は「国民の権利を守り、国家権力を制限するための定め」という考え方である。
実際、西欧の憲法はそのような歴史をもっている。
それゆえ、国民の権利を認めることに重点が置かれ、国民の義務があまり規定されていないのは必然ということになる。
また、国家を三権に分け、抑制と均衡により権力の乱用を防ごうとしているのも、国民が国家権力を制限するためという趣旨である。
これに対し、「憲法を国家のあり方を定める基本法という国家中心の考え方」をすると、国民の義務も重視されることになるであろう。
実際、自民党では「聖徳太子の17条の憲法などを模範とすべし」とか「日本の文化とか伝統がにじみでるものにすべきである」という意見が強いそうである。
かように、「憲法とは何か」という考え方がまったく違うのだから、議論がまとまるはずがない。
結局は、改正されないままになるような気がする。
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