2004年05月17日(月) |
望ましい弁護士像とは |
日経(H16.5.17)社説で、「順法経営の確立は、今や企業の義務だ」という見出しで、順法経営の重要性について書いていた。
それを読んで、以前、ある病院が補助金を受給して病棟を増築しようと相談されたときのことを思い出した。
相談を受けたケースは補助金の受給資格に問題があり、不正受給になると思われたので、「そのような違法なことは止めたほうがいい」と言ったら、それっきりお声が掛からなくなってしまった。
「問題があるからこそ、問題が生じないように弁護士に相談しているんだ。問題があるときに、『問題がある』というだけでは、何のための弁護士なのか。」と思われたのだろう。
しかし、弁護士は黒を白と言いくるめる仕事ではない。
「弁護士は、負けるべきときに勝ってはいけない」と言われる。
つまり、弁護士の仕事は妥当な結論に導くことにあるといえるのであり、それゆえ、弁護士によって結論が大きく変わることはあってはならないということである。
ただ、妥当な結論を目指しつつも、できるだけ依頼者の側に立って、依頼者の有利になるように努力すべきであり、それが望ましい弁護士像ではないかと思っている。
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