2004年06月09日(水) |
システム会社は潜在的にリスクを抱えている |
日経(H16.6.9付)社会面で、コスモ石油の個人情報流出事件は、システム会社から情報が漏れた可能性が高く、コスモ石油は、委託会社への損害賠償請求や刑事告発を検討していると報じていた。
システム会社の経営規模は大きくないだろうから、損害賠償請求されると会社がつぶれるのではないだろうか。
システム会社は委託を受けた会社の重要な情報を有している。
その情報管理に相当な注意を払っていても、従業員が情報を持ち出すと、会社は責任を負わざるを得ない。
民法715条1項は会社の使用者責任を定め、但書で、会社が相当の注意をした場合は責任を負わないと定めてはいる。
しかし、判例は、会社が責任を負わないのは、「相当の注意をしても到底損害の発生を免れえない場合」と限定的に解しており、会社の使用者責任は免れるのは困難である。
したがって、システム会社というのは、潜在的に極めて高いリスクを抱えている業態といえるのであり、会社経営者はそれを十分自覚すべきであると思う。
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