今日の日経を題材に法律問題をコメント

2004年07月06日(火) タイ人中学生、在留許可の方向に

 日経(H16.7.5付)夕刊に、タイ人中学生の処遇で、法務大臣が入管当局に再検討を指示し、在留が認められることになったという記事が載っていた。


 タイで両親と死別し、日本で祖母らと暮らしている中学1年生について、これまで入国管理局は在留許可を認めず、いったん出国して再入国申請をするよう説明していた。

 しかし、いったん出国した場合、再入国が認められる保障はない(似たような事件を担当したことがあり、そのとき入管の担当者が言っていた。)。


 行政訴訟も起こしたそうであるが、次々と在留を認める判断をしていた裁判官が転勤になったから、裁判所で言い分が認められるかどうかは分からない状況であった。


 この件で、在留を認めるよう指示した法務大臣の処置は当然であるが、問題は、在留許可の基準がはっきりせず、入国管理局の裁量の範囲が非常に広いことである。

 
 もはや行政担当者の胸先三寸で判断される時代ではなく、今後は、判断基準をある程度明確に示し、予測可能性を与えることが重要であると思う。


 < 過去  INDEX  未来 >


ご意見等はこちらに
土居総合法律事務所のホームページ


My追加
-->