2004年07月20日(火) |
空港で指紋照合することはプライバシー侵害になる? |
日経(H16.7.20付)1面に、政府は、テロ防止のため空港で指紋照合して本人確認することを検討していると報じていた。
このように指紋照合システムを導入した場合、プライバシー侵害にならないかという問題が生じる。
実際、記事の中で、「アメリカではすでに始まっているが、日本では反発も根強い」と書いていた。
それゆえ、入国に際し指紋照合する必要性とともに、その許容性が検討されなければならない。
指紋照合する必要性としては、テロ対策が挙げられているが、それ以外に、急増する外国人犯罪の防止が挙げられよう。
日本で犯罪を起こし、裁判で執行猶予や実刑を受けた後、本国に帰国しても、名前を変えて再び日本に入ってくる外国人が後を絶たないからである(むしろ、政府の本音は外国人犯罪の防止にあるのではないか)。
そのような現実を考えると、外国人が入国するときに、指紋照合して本人確認する必要性は高い。
問題は許容性である。
そもそも、すでに日本で居住している外国人に比べて、これから入国しようとする外国人に対し一定の権利の制約を課すことは許される余地は高いといえる。
そして、採取した指紋を他の目的に使ってはならないことは当然であるが、それを第三者機関が監視するなどのシステムが必要であろう。
そのような制度が整えば、これから入国しようとする外国人の指紋照合したとしても、プライバシー侵害とまではいえず、認められるのではないだろうか。
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