2004年07月21日(水) |
ベル24の増資に対し、CSKが差し止め請求 |
日経(H16.7.21付)13面に、ベルシステム24が、日興系投資会社に第三者割当増資を実施するについて、筆頭株主であるCSKが猛反発して、増資差し止めの仮処分を申請したと報じていた。
第三者割当増資が「著しく不公正な方法で新株発行し、これによって株主が不利益を被る恐れがある」場合は新株発行差止請求が認められる。
実際、既存株主が増資差し止めの仮処分を申し立てることは比較的よくある。
増資によって既存株主の地位が低下するし、増資に背景には、会社の経営権争いが絡んでいることが多いからである。
本件でも、ベルシステムの代表取締役は、「多額の資金をCSKに依頼しても厳しいと勝手に想像した」と意味不明なコメントをしており、経営権争いがあったと想像される。
しかし、差止請求が認められるかどうかの判断に当たっては、増資の必要性があるかどうかが最も重視される。
記事によれば、増資で得た資金でソフトバンク系のコールセンターを買収して、ソフトバンクグループと包括提携するとのことである。
とすると、事業拡大のための資金調達として、増資は必要であったと思われる。
会社の体力、状況も考慮する必要があるが、かかる事業拡大は一般的には合理性があると思われるから、新株発行差止めは認められないのではないだろうか。
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