| 2012年03月16日(金) |
最高裁の差戻し審で大阪地裁は無罪を言い渡す(求刑死刑) |
日経(H24.2.1)社会面で、母子殺害容疑で殺人などの罪に問われ、二審の死刑判決が最高裁で破棄された事件の、差し戻し審判決で大阪地裁は、被告人に無罪(求刑死刑)を言い渡したと報じていた。
この裁判では、事件と被告人を結びつける直接証拠がなかったため、間接事実によって被告人が犯人であると認定できるかどうかが焦点だったが、大阪地裁は、一つ一つの証拠を検討した上で、事件と被告人とを結びつけることができないと判断したようである。
平成22年に審理を差し戻した最高裁判決では、「情況証拠によって認められる間接事実中に,被告人が犯人でないとしたならば合理的に説明することができない事実関係が含まれていることを要する」と判示している。
この表現が、情況証拠から有罪を認定をする場合のハードルを上げたようにも読め、マスコミはそのように認識している様子がある。
しかし、最高裁の判示や補足意見などをよく読むと、間接事実を積み重ねて犯人性を推認していくという事実認定の手法自体を否定しているわけではない。
それゆえ、新たな判断基準を設定したものでも、有罪認定のハードルを上げたものでもないと思われる。
実際、最高裁の判示の中で「情況証拠によって事実認定をすべき場合であっても,直接証拠によって事実認定をする場合と比べて立証の程度に差があるわけではない」とはっきり述べている。
マスコミは、この最高裁判決を過大に評価しすぎているのではないかと思う。
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