| 2012年07月23日(月) |
同種前科の証拠採用について最高裁が弁論を開く |
昨日の日経(H24.7.22)社会面で、裁判員裁判で初めて差し戻し判決が出された窃盗、放火事件の上告審弁論が最高裁であったという記事が載っていた。
この事件では窃盗現場に灯油をまいて火が付けられていたのであるが、被告人には同種の前科があった。
そこで、このような同種の前科を証拠として採用できるかが問題となった。
一審・東京地裁は、前科に関する検察側の証拠請求を「裁判員に不当な偏見を与える」として却下して、放火を否定し、懲役1年6月(求刑懲役7年)とした。
しかし、東京高裁は、一審判決について「放火罪の前科に関する証拠を取り調べていない訴訟手続きの違法がある」とした。
ところが、最高裁が弁論を開いたことから、二審の判断を見直す可能性がある。
裁判官のこれまでの多数派は、東京高裁の裁判官の方であろう。
裁判官は、予断を生じさせる証拠を排除することよりも、できるだけ証拠を見て判断しようとする傾向が強い。
それだけ真実発見の意欲が強いのだろうし、また事実認定の自信もあるのだろう。
それだけに、今回の事件で、最高裁が東京高裁の判断を見直しすることは、裁判官の価値判断や思考方法の変更を迫ることになるから、この事件だけでなく、今後の影響も大きいと思う。
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