| 2012年09月10日(月) |
新聞社による名誉棄損訴訟 |
日経(H24.9.10)ネットニュースで、日経新聞社と同社社長は、事実無根の見出し・記事により名誉を著しく傷つけられたとして、週刊文春を発行する文芸春秋などに対し、謝罪広告の掲載と計1億5400万円の損害賠償の支払いを求める訴訟を東京地裁に提起したと報じていた。
裁判を受ける権利は国民の権利である。
また、雑誌に「社長と女性デスクが不適切な関係にあり、そのために情実人事が行われる」などと書かれて、それが真実でない場合には、当然憤るだろう。
「あの雑誌記者は許せん。」と思って当然である。
それでも、新聞社が名誉棄損訴訟を提起するのはどうも違和感を感じる。
報道機関に対する委縮効果が否定できないからである。
それに対しては、名誉棄損の報道など保護に値しないという反論があり得る。
しかし、保護に値する報道と、保護に値しない報道とは誰がどこで区別するのだろうか。
それは、その報道を思想の自由市場に流して、国民が判断すべきことではないのだろうか。
もちろん、「思想の自由市場」というのは建前であり、そのような「市場」はない。
しかし、訴えているのは報道機関たる新聞社なのである。
新聞社による名誉棄損訴訟の提起は、「思想の自由市場」を否定し、すべてを司法に委ねるという点において、報道機関として無責任な気がするのだが。
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