今日の日経を題材に法律問題をコメント

2013年07月01日(月) 1年目に独立する弁護士の問題点

 日経(H25.7.1)社会面の若手弁護士の現状を報じた記事で、性犯罪事件の被告人側の若手弁護士が、被害者側代理人に対し、被害者側代理人が送った書面の余白に「貴職の考えには賛同できません」と殴り書きの文字でFAXしたということを書いていた。


 被告人側が被害者の親に直接示談を申し入れたため、被害者側の代理人が「配慮が足りない。弁護士を通すのが筋だ」と抗議したことへの返答が、殴り書きのFAXだったのである。


 FAXを送り付けた弁護士は1年目に独立開業した「即独」。送りつけられたベテラン弁護士は「常識を教わる機会がなかったのだろう」と嘆いた、書いていた。


 しかし、この問題は、「常識」の有無がポイントではないだろう。


 この若手弁護士は、被害者側に二次被害を起こしている可能性があり、また被告人の利益にも反していることこそが問題である。


 被害者との示談交渉には非常に気を使う。とくに性犯罪の場合、示談交渉自体が被害者を傷つけることになりかねない。


 被害者側に代理人が就いた場合には、その理由として被害者が直接交渉したくないという気持ちのことが多い。


 そうであるのに、代理人を飛び越して直接被害者側と連絡をすることは被害者側の気持ちを著しく傷つけることになる。


 また、その場合示談も成立しないから、被告人の利益にも反する。


 1年目に独立した場合、このようなことを学ぶ機会を失っており、そのことが問題なのであろうと思う。


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