| 2013年08月23日(金) |
被害者の特定を避けるために、被告の氏名を伏せる |
日経(H25.8.23)社会面で、教え子にみだらな行為をしたとして、児童福祉法違反に問われた元中学教諭の男性の初公判で、宇都宮地裁は、被害者の特定を防ぐため、被告の名前や住所を伏せて審理していたという記事が載っていた。
被告の名前が分かると、被害者まで特定されてしまうということらしい。
ただ、憲法82条は裁判の公開を規定しているので、被告の名前等を伏せると裁判の公開原則に反するのではないかということが一応問題になる。
この点、裁判の公開の趣旨は、裁判の公正な運用の実現と、国民の監督の保障である。
しかし、被告の名前を伏せるといっても、起訴状等には名前は記載されており、人定質問もきちんとなされているようである。
そうすると、口頭で被告の名前を伏せたとしても、それだけで裁判の公正を欠いたり、国民の監督を阻害するとまではいえないであろう。
それゆえ、名前を伏せる必要性がある場合に、被告の住所と名前を伏せて審理したとしても、とくに問題はない。
ただ、裁判の公開は憲法上の要請であることを考慮すると、被告の名前を伏せる必要性は厳格に審査すべきであろうと思う。
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