日経(H25.8.27)社会面で、松江市教育委員会が市立小中学校に漫画「はだしのゲン」の閲覧制限を求めた問題で、市教委は、制限の要請には「手続きに不備がある」として撤回することを決めたと報じていた。
この漫画を小中学生の自由な閲覧に委ねていいのかについては議論があるようである。しかし、市教委がその議論に踏み込まずに、「手続が適正でなかった」としたのは、裁判所の思考方法に似ていると思った。
会社の内紛で、株主総会決議や取締役会決議の有効性が問題になることがしばしばある。
その場合、当事者は、自分の言い分がいかに正しいか、相手がいかに悪いかを訴えるのであるが、裁判所はそこには着目しない。
裁判所は、会社法、定款等に照らして、招集手続等をきちんと履践したかどうかを判断するのである。
「はだしのゲン」の問題で、市教委が、閲覧制限が適切か否かに踏み込まずに、手続の問題としたのはそれに似ているが、この場合はいわば大人の知恵ということになるのだろう。
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