| 2013年10月23日(水) |
裁判員裁判無罪を逆転有罪とした二審判決を、最高裁が支持 |
日経(H25.10.23)社会面で、覚醒剤をスーツケースに隠して、アフリカから成田空港に密輸したとして、覚せい剤取締法違反罪などに問われた事件で、最高裁は、一審裁判員裁判で無罪となったが逆転で有罪とした二審の判断を支持し、弁護側の上告を棄却したという記事が載っていた。
記事では分かりにくいが、この事件で被告人は、「第三者から、覚せい剤と知らされずに運搬を頼まれた」と弁明したのではない。
「ウガンダ共和国を出発する前に、メイドに、スーツケースの購入と衣類等の詰め込みを依頼し、そのまま携帯してきた。日本に入国するまでその内容物に手を触れていない」と弁明したのである。
この点につき、最高裁は、密輸組織が、運搬者の知らない間に覚せい剤を手荷物の中に忍ばせて運搬させると、忍ばせた覚せい剤の回収が困難になるから、回収が確実な特別の事情がない限り、そのような運搬方法はあり得ないと判断した。
これは、経験則に合致する考えであろう。
一審は裁判員裁判による判断であり、最高裁は、別の判決において、裁判員裁判の判断を尊重すべきとしている。
しかし、裁判員裁判であっても、経験則に反する認定まで尊重する必要はないであろう。
それゆえ、一審裁判員裁判の無罪を覆し、有罪とした二審を支持した最高裁の判断は適切であるし、別の判決で「裁判員裁判の判断を尊重すべき」と述べたこととも矛盾していない。
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