今日の日経を題材に法律問題をコメント

2013年11月26日(火) 大阪地裁が遺族補償年金の規定は違憲と判断

 日経(H25.11.26 )社会面で、地方公務員災害補償法に基づく遺族補償年金をめぐり、受給資格について、男性にだけ年齢制限の規定があるのは法の下の平等を定めた憲法に違反するとして、公立中学教諭の妻(当時51)を亡くした男性が年金不支給処分の取り消しを求めた訴訟で、大阪地裁は、規定は「違憲」として同基金の決定を取り消したと報じていた。


 規定では、支給対象は、夫を亡くした妻か、妻の死亡時に55歳以上の夫となっており、これが法の下の平等に反するというものである。


 大阪地裁の判断は一見説得的であるが、別の考え方もあり得るのではないかと思う。


 というのは、遺族補償年金の趣旨が「残された配偶者の生活補償」であるとするならば、55歳になると給料は横ばいどころか下降することが通常であるから、残された配偶者が55歳以上の場合に限って受給資格があるというのは不合理とはいえないからである。


 問題は、残された配偶者が女性の場合には受給資格に年齢制限がないことである。


 しかし、大阪地裁も認定しているように、今日では共働きが通常の家庭となっている。


 そうだとすれば、残された配偶者が女性の場合にも、55歳以上であることを要件とすることによって差別を解消すべきであり、男性も、女性の場合と同様に無条件に受給資格を得させることによって差別を解消する必要はないということになる。


 このように考えると、今回の大阪地裁の判断が間違いとは言わないが、「当たり前の判断」とまでは言えないように思う。


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