日経(H26.1.7)夕刊で、インサイダー取引で有罪になっても、株が追徴金を上回るほど値上がりすれば多額の利益が残ることから、金融商品取引法違反事件の判決で東京地裁は株券を直接没収する明文規定がないことによる不合理を指摘したという記事が載っていた。
問題となったのは、ソフトバンクが自社株(イー・アクセス)を株式交換で買収するとの情報を入手、公表前に約1千万円で自社社株を買い付けたところ、株は高騰。公判が結審した時点では保有株の価格は9千万円を超えていたそうである。
金商法は犯罪で得た財産を没収すると定めているが、株券については売却・換金の手続き規定がないことから問題になった。
ただ、追徴金を科すことはでき、地裁判決は、追徴金を約4400万円と算定した。
しかし、4千万円以上の差益が残ることになり、判決では「株券を直接没収できれば問題ないのに、手続き規定がないというのは立法の不備。速やかな是正を強く望む」と言及をしたものである。
しかし、4400万円しか追徴ではなきないのは、犯罪で得た利益がそれだけだからである。しかるに、それ以上追徴すればかえって不当な結果になる。
すなわち、株券を没収することができれば簡易ではあるが、現在の制度が「立法の不備」とまでは言えないのではないだろうか。
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