| 2014年04月24日(木) |
海自いじめ自殺の事件の控訴審判決の評価 |
日経(H26.4.24)社会面で、海上自衛隊いじめ自殺訴訟判決の続報が載っていた。
この訴訟は、護衛艦「たちかぜ」に勤務していた1等海士が自殺した原因は先輩隊員のいじめであるとして、遺族が、国と先輩隊員に損害賠償を求めていたものである。
一審ではいじめの事実は認めたものの、裁判所が認めた賠償額は440万円であった。
と ころが、海自側は、全乗員にいじめの有無についてアンケートを実施しており、そこにはいじめの事実が記載されていたのに、海自側は一貫して「破棄した」と回答していたところ、控訴審において内部告発によりアンケートの存在が明らかになった。
そのため、控訴審判決では、アンケートを隠したことは違法であるとし、一審判決が認めなかった自殺の予測可能性を認定し、それにより、賠償額は440万円から約7300万円と大幅に増額した。
マスコミはこの二審判決を評価しているようである。
しかし、控訴審判決は、海自側がアンケートを隠したことが違法であるとしながら、その行為自体についての損害賠償を認めていないと思われる。少なくとも、記事ではそのように読める。
しかし、この点が問題であろうと思う。
確かに、控訴審判決が、アンケートを隠したことが違法であると認定したことには大きな意義ある。
しかし、一般人が組織に対して訴訟したとして、当該組織が証拠を隠した場合、訴えた側はいかんともしがたく、立証不十分で敗訴する危険性が極めて高い。
それだけに、証拠を隠したことについては強く非難されるべきであり、そのような隠ぺい行為自体について損害賠償請求が認められるべきである。
控訴審判決は、この点の踏み込みが不十分であると思う。
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