今日の日経を題材に法律問題をコメント

2014年09月09日(火) 固定資産税の過納付還付請求の時効

 日経(H26.9.9)社会面で、市町村が固定資産税を徴収しすぎるミスが全国で後を絶たず、20年間で約4850万円も多く課税されたという事例もあるという記事が載っていた。


 固定資産税は市町村から納付書がきたら、そこに書いている金額を納めるだけで、内容が間違っているかどうかは普通は確認しないし、確認する能力もない。


 それゆえ、徴収し過ぎがあれば大問題であり、納税者側からすれば全額返還して欲しいところである。


 ところが、還付金の消滅時効は法律で5年と定めている。(但し、自治体によっては条例で「過誤納返還金取扱要綱」等を定め、最長20年まで返還しているケースもある。)


 これに対し、最高裁は、違法な課税処分により損害を被った納税者は、当該課税処分の取消訴訟等の手続を経ることなく国家賠償請求を行うことを認めたので(H22.6.3判決)、これにより、20年前まで遡って請求できる途が開けた。


 ただ、訴訟する手間は残っており、容易に還付請求されるわけではない。


 もともと、過納付した納税者には何の落ち度もないのであるから、法改正により、還付金の時効期間を20年にして、訴訟することなく返還を認めるべきではないだろうか。


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