| 2014年11月25日(火) |
不動産だけがとくに優遇されているわけではない |
日経(H26.11.25)のエコノ探偵団というタイトルの解説記事で、空き家が増加しており、それに対する自治体が問題になっているということを書いていた。
背景には空き家の増加がある。昨年の空き家数は約820万戸で、5年前より63万戸増え、全住宅の13.5%にもなっている。
空き家を放置すれば崩れて周囲に危険が及ぶ恐れがあり、また、放火や侵入の危険もある。雑草や害虫もはびこりやすい。
要するに周辺住民にとって迷惑な存在なのである。
そのため、条例で持ち主に管理や取り壊しを助言・指導・勧告を定めている自治体は多い。
ところが、強制的に取り壊す代執行を定める自治体は5割強に過ぎないとのことである。
記事でも「川口市でも代執行を盛り込まなかった。個人から訴えられる恐れがあるからだという。」としていた。
また、「不動産に対する財産権は強い」ともしていた。
しかし、憲法が保障する財産権の中で、不動産をとくに優遇しているわけではない。
不動産であっても公共の福祉のために必要であれば権利を制限することは可能である。
それゆえ、崩壊する恐れがあり危険な場合には、それを強制撤去する条例を定めることは十分可能なはずである。
むしろ問題は、家屋の解体費用を自治体が負担することの不公平さであろう。
それゆえ、空き家の所有者に対し、解体費用をきちんと求償することが重要になる。
|