今日の日経を題材に法律問題をコメント

2014年12月02日(火) コントロールド・デリバリー(泳がせ捜査)

 日経(H26.12.2)社会面で、神奈川県警は、米国から運び込まれた覚醒剤約17キロを、コントロールド・デリバリー(泳がせ捜査)で岩塩とすり替えられたのを知らずに所持したとして、会社役員の男性を麻薬特例法違反(所持)容疑で逮捕したという記事が載っていた。


 コントロールド・デリバリー(泳がせ捜査)といってもそれほど大げさなものではなく、空輸便でくる荷物の中に違法薬物が発見された場合、それを岩塩などにすり替えて、そのまま荷物の宛先に届ける手法である。


 荷物を受け取った側の者が所持しているのは違法薬物ではなく、単なる岩塩に過ぎない。


 岩塩を所持しただけで罪になるのかという疑問もあるが、このような場合を想定して法律は次のように定めている。


 「薬物犯罪を犯す意思をもって、薬物その他の物品を規制薬物として所持した場合には、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。」


 この規定により、岩塩を所持していただけで罪になるのであるが、ただ、違法薬物を所持していたわけではないから、法定刑は軽くなっている(例えば覚せい剤の所持は懲役10年以下である)。


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