今日の日経を題材に法律問題をコメント

2014年12月17日(水) 控訴審での被告人質問

 日経(H26.12.17)社会面で、1995年の公証役場事務長拉致事件について、一審で有罪判決を受けたオウム真理教元幹部平田信被告の控訴審初公判が、東京高裁であったという記事が載っていた。


 弁護側は、新たに広瀬健一死刑囚らの証人尋問を請求したが、東京高裁は認めず、即日結審し、判決は来年3月4日とのことである。


 控訴審で即日結審することは以前から多かったが、裁判員裁判を経由した事件ではとくにその傾向が強くなった。


 もっとも、この事件では被告人質問は実施したようである。


 しかし、先日私が担当した控訴審では、被告人質問さえも認めなかった。


 被告人質問も認められないとなると、控訴したのに自分の言い分を話す場がないことになり、被告人に相当不満が残る。


 それは、被告人の今後の更生にとって望ましいことではないと思う。


 それゆえ、いかに一審の審理を尊重するといっても、控訴審で被告人質問さえも認めないというのは、行き過ぎであるように思う。


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