今日の日経を題材に法律問題をコメント

2015年01月13日(火) 冨田選手の事件 なぜ正式裁判にできたのだろうか

 日経(H27.1.13)社会面で、韓国・仁川アジア大会でカメラを盗んだとして略式起訴され、帰国後に無実を訴えた競泳の冨田選手の初公判が仁川地裁で行われ、冨田選手は無罪を主張したという記事が載っていた。


 その主張が通るかどうかは別にして、手続の問題として、略式命令を受けて罰金を納付までしているのに、なぜ正式裁判にすることができたのかよく分からない。


 報道によれば、略式命令が冨田選手に交付されていなかったために異議申立期間が徒過しておらず、それゆえ正式裁判が可能だったようである。


 しかし、日本の場合には、身柄が拘束されている場合には、検察官が略式命令を請求し、同日に裁判所が略式命令を発令し、その謄本が被告人に交付される。
それと同時に身柄の拘束が解かれることが通常である。


 また、東京の場合には、東京地検の庁舎の一定の場所で身柄が解かれ、すぐ隣りに罰金の納付窓口ある。(他の地検でも同じだと思う)


 罰金は後日支払ってもいいのであるが、かなりの人はそこで罰金を納付して手続きをすべて済ませている。


 韓国の制度は知らないが、略式命令書謄本を被告人に交付しないまま釈放し、しかも罰金の納付まで済んでいるというのが不思議な気がする。


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