今日の日経を題材に法律問題をコメント

2015年01月15日(木) スナック菓子に爪楊枝を入れる行為はいかなる罪になるのか

 日経(H27.1.15)社会面で、東京都調布市のスーパーで、商品のスナック菓子に爪楊枝を刺して混入させる様子が「ユーチューブ」に投稿された事件で、警視庁少年事件課は、威力業務妨害などの疑いで調べていると報じていた。


 警察は、スナック菓子に爪楊枝を入れる行為を「威力業務妨害」とみているようである。


 ただ、刑法では、威力業務妨害罪と似ているものに、偽計業務妨害罪がある。


 「威力」とは、人の意思を制圧するに足りる勢力を利用することであり、「偽計」とは、他人の錯誤もしくは不知を利用し、または欺罔、誘惑の手段を弄することである。


 定義上はかなり異なるが、実際の境界は難しい。


 百貨店の食堂にヘビをまき散らし、食堂を大混乱に陥らせた場合には、威力業務妨害に当たることは間違いない。(実際にあった事件である。)


 しかし、スナック菓子に爪楊枝をこっそり入れて、それをスーパーに告知もしていない場合には、「威力業務妨害」ではなく、「偽計業務妨害」になるのではないかと思う。


 ただ、両者の刑罰は同じなので、あまり実益のある議論ではないが。


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