| 2015年02月20日(金) |
非上場会社の株価算定について最高裁が判断 |
日経(H27.2.20)社会面で、不当な安値で新株を発行して会社に損害を与えたとして、アートネイチャーの株主が五十嵐祥剛社長を相手に約22億5千万円を同社に賠償するよう求めた株主代表訴訟で、最高裁は請求を棄却する判決を言い渡し、原告株主側の逆転敗訴が確定したと報じていた。
判決理由では、「非上場会社の株価算定について、客観的資料に基づいて合理的に算定されていれば問題ない」と指摘している。
非上場会社の株価の算定については、簿価純資産法、時価純資産法、配当還元法、収益還元法、DCF法、類似会社比準法など様々な評価手法があり、どのような場合にどの評価手法を用いるべきかについて明確な判断基準が確立されていない。
それにもかかわらず、裁判所が事後的に、他の評価手法を用いたりして株価の算定を行い判断するのは、取締役らの予測可能性を害することになる。
それゆえ、非上場会社が新株を発行するに際し、客観的資料に基づき一応合理的な算定方法によって発行価額が決定された場合には、その発行価額は尊重されるべきと解したものである。
非上場会社の株価算定は難しく、それだけに争いを生じやすいことから、最高裁の判断が実務に与える影響は大きいと思われる。
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