日経(H27.3.18)23面で、相続税は、2回目の相続を見据えて対策すべきという特集記事が載っていた。
記事では、80歳の父の遺産は、時価6000万円の不動産と預金3000万円、相続人は、母と、兄弟2人という例で解説していた。
遺産をすべて母が引き継ぐ場合には配偶者特例が使えて税金はゼロであるが、母の死亡の際に相続税が課税されるので、それは望ましくないとしていた。
ここまでは問題ない。
さらに記事では、同時に「公平に財産を分けることも大切」として、母と兄が不動産を半分ずつ取得し、弟は預金全額3000万円を受け取るのが望ましいとしていた。
確かに、不動産の価値が6000万円であれば、兄弟は3000万円ずつ取得することになるので、数字的には平等である。
しかし、今後、一部の地域を除き、不動産価格の上昇は期待できない。
それだけに、持ち分2分の1の不動産だけで、現金をまったく取得できない兄にはかなり不満が残るはずである。
結局、解説記事は、金額の話だけに拘泥し、実際の当事者の気持ちを配慮していないという意味で、遺産分割案としては現実的なものではないと思う。
では、どのような分け方がいいのかというと、正解はない。
遺産分割というのは、必ずだれかに不満が残るものだからである。
|