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| 2015年04月20日(月) | 科学鑑定の怖さ 和歌山カレー事件は? |  
 日経(H27.4.20)社会面で、FBIが1972〜99年に刑事裁判で被告人の毛髪鑑定として提出した268件のうち、257件に問題が見つかり、うち32件には死刑判決が出ているという記事が載っていた。
 
 FBIと米司法省はミスがあったことを認めているそうである。
 
 
 刑事裁判における科学鑑定には怖い面がある。
 
 
 鑑定が証拠として提出された場合、裁判官にはそれが誤りかどうかをチェックする能力がないため、ほとんど100%、鑑定結果を信用するからである。
 
 
 日本でも、足利事件で、「女児の下着に付着していた体液のDNA型と被告人のDNA型とが一致した」という鑑定を重要な証拠として無期懲役を言い渡したが、後に、その鑑定が誤りであったことが判明し、再審無罪が言い渡されている。
 
 
 また、和歌山カレー事件では、カレー鍋に混入されヒ素と、被告人の自宅から発見されたヒ素が同一であるとの鑑定がなされ、それが有罪の重要な証拠となって死刑判決が言い渡されたが、最近になって、その鑑定に疑問が呈されている。
 
 
 和歌山カレー事件では死刑判決が言い渡されているだけに、万が一再審無罪となったら、科学鑑定のあり方だけでなく、死刑廃止論にもつながる大問題になることは必至であろう。
 
 
 
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