| 2015年05月01日(金) |
弁護士から「違法でない」と言われても、責任は免れない |
日経(H27.5.1)社会面で、日本歯科医師会の政治団体「日本歯科医師連盟」を巡る政治資金規正法違反事件で、日歯連内部の会議で「迂回寄付ではないか」と問題視する声が上がっていたという記事が載っていた。
これに対し、会計担当の幹部が「これはテクニック。法的には問題はない」と反論。
その後評議員らに配布された内部文書でも「迂回献金には該当しない」「嘱託弁護士からも違法でないとの回答を得ている」と記載していたとのことである。
しかし、内部の会議で「迂回寄付ではないか」と問題視されるような事案において、弁護士が「違法でない」とのお墨付きを与えることはあり得ないであろう。
仮に、弁護士が「違法でない」と判断し、担当者がそれを信用したとしても、故意は阻却されない。
これは講学上、違法性の錯誤(法律の錯誤)と言われている問題であり、「犯意があるとするためには、犯罪の具体的事実の認識があれば足り、その行為が違法であることの認識は要しない」とされているからである。
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